2匹の蝶々
「あ、山坂くん」
振り向くと、そこには。
学級委員であって、クラスのムードメーカ的存在。
山坂 新(ヤマサカ アラタ)
「ケータイ、落としたよ」
「ありがと」
山坂くんはあたしにケータイを渡す。
あたしは軽く、お辞儀をした。
「おもいっきし、音がしたのに。気づかないって、ココアちゃんって天然だね」
ニコッと山坂くんは笑った。
でも。
「山坂くん。あたし、ココアじゃなくて心だよ?」
「あれ、そうだっけ??まあ、いいじゃん!」
今度はニヤッと笑う。
「よっ、よくないよ!」
「心ちゃーん。行くよー」
萌ちゃんがあたしを呼んだ。