2匹の蝶々
「ないない。あたしなんて好きになるわけないよ」
「そうかな〜?」
萌ちゃんは首を傾げながら、歩き出した。
あたしもそれについていく。
『ないない』
あたしは、そう言った。
そう思った。
でも。
違ったんだ。
「俺、ココアちゃんが好き」
…はて?
聞き間違えだろうか。
ここは、誰もいない図書室。
山坂くんに呼び出されたあたし。
何の話だろう?
そう思っていたら。
ん?
「あの、あたし。ココアじゃないです」
「あれ、やっぱり天然。俺の言ってた事、聞いてた??」
言ってた事…