2匹の蝶々
我慢できない ー音 Sideー
「え?今何て??」
あり得ない言葉が耳に入った。
「だから…クラスの男の子に告白されたの」
真っ赤になりながら、心は言った。
何、赤くなってんだよ。
俺以外の事で赤くなるんじゃねーよ。
そう言ってやりたい。
でも、それは駄目だ。
小学生の時にあれだけ我慢してきたじゃないか。
心のサラサラの髪に触れる事も、
抱きしめる事も、
キスする事も。
何もかも。
双子だから、と我慢してきた。
「ねえ、音。どうしよう?」
そんな目で見るなよ。