2匹の蝶々
次の日
ピピピピッ
あたしの部屋の目覚ましが鳴る。
でも。
あたしはすでに起きていた。
いや。
正確に言うと、一睡も出来なかった。
眠れる筈がない。
あんな事があった後なのに…
コンコンッ
あたしの部屋をノックする音がした。
「っ…」
誰??
「心〜、早く起きちゃいなさーい」
「あ、はあい」
お母さんだった。
ホッと一息つく。
でも、どこかに。
音じゃなかった事へのガッカリがあった。
本当に。
どうしちゃったんだろう、あたし。
ガチャッ
「おはよ〜」
あたしは目をこすりながら、リビングに入った。
「おはよ」
ドキッ
音が笑顔であたしをむかえた。
まるで。
昨日は何もなかったかのように。