2匹の蝶々
「昨日、ココアちゃん何か言ってなかった?」
ソイツは少し頬を赤くしながら言った。
…昨日??
『クラスの男の子に告白されたの』
心が言っていた言葉を思い出す。
ああ、コイツが。
心に告白した奴か。
「いや、別に」
俺はワザと嘘をつく。
「…そっか」
ソイツは落ち込んだ様子で立ち去ろうとした。
「あ、ちょっと」
「え?」
俺はソイツを呼び止めた。
「名前、何だっけ??」
「山坂 新」
「そうか。俺は崎谷 音」
「おう」
そして山坂は去った。
山坂 新…か。
一応、覚えておこう。