2匹の蝶々
「何で、山坂の告白断ったの?」
音はあたしの髪に触れながら静かに聞いた。
「…」
言えるわけ…ない。
音がいるから、なんて。
何されるか分からない。
「心…?」
ドサッ…
音はゆっくりとあたしをソファに押し倒す。
「いっ…ん…」
馬乗りになられて、上手く声が出せない。
やっぱりあたし、変だ。
「言わないと…襲うよ?」
「な…」
もう、襲ってるのと同じじゃん。
そう思いつつ、あたしは音を見る。
音は意地悪そうに笑う。