2匹の蝶々
「心…」
「音…」
愛しい行為が終わった後。
あたしと音は冷たい床で横になったままでいた。
音の腕枕は温かくて心地いい。
キーンコーン
「あ…お昼休み終わっちゃった…」
「…早いな」
音は寂し気に笑う。
あたしは乱れた制服を見つめる。
ゆっくりと起き上がってシャツのボタンを閉める。
「あ…」
床に落ちているリボン。
あたし、つけるの苦手なんだよね。
「心。俺がリボンつけてあげるよ」
「え…」
そして音ははだけた制服のまま、あたしにリボンをつけた。
シュル…
「また逆再せ…いやいや」
「もうっ…ありがと」
「心は蝶々結びが苦手だよね小さい頃から」
「そうだね…」
音には何でもお見通しだ。
「ねえ、心?」
座ったままスカートのシワをのばすあたしに問いかける音。