2匹の蝶々
ネクタイを閉めるのはなぜだか得意。
お父さんのネクタイしめをいつも見ていたからかな??
まあ、そんな事は今はいいや。
ドキ…ドキ…
シュル…
「で、出来たよ」
「ありがと。さ、行こっか?」
「うん」
その時。
フワッ
あたしの目の前を何かが通り過ぎた。
「え…」
「あ、蝶々だ」
音は笑う。
音の視線の先を見ると、そこには2匹の蝶々。
「本当だ…可愛い」
2匹の蝶々は仲良さげに寄り添いながら、飛んでいる。
「開いてる窓から来たんだな」
音は窓を指差しながら、言う。
「恋人同士かなあ?」
「蝶々に恋人ってあるわけ?」
クスッと音は笑う。
「あっ…あるもん!」
「そうですかー…」
音は笑ったかと思うと、急に俯いた。