2匹の蝶々
キーンコーン
結んだリボンに再び手をかけようとした時。
授業終了の鐘が鳴り響く。
「5時間目…終わったな」
「早いね…」
フフッと俺の下で笑う心。
「もう…行こっか」
心は切なそうな顔をして、起き上がる。
「…待って」
俺は立ち上がり、扉の鍵に手をかける心の腕をつかんだ。
「何…ん」
振り向いた心に軽くキスをする。
「…行こっか」
そして、俺は心の腕をつかんだ手をそのまま心の手にずらして手を握った。
「…うん」
心はニコッと笑って、手をギュッと握り返してくれた。
ガララッ
そして。
教室の近くに差し掛かった所で…
俺達はそっと手を離した。
「じゃあ、また家で」
「ああ。」
俺は手を振る心に笑顔だけを向けて、教室に行く。
心…
大好きだよ。
いや。
愛してる。
俺達は…
いつまで一緒にいられるのかな…―??