2匹の蝶々
少しの変化 ー心 Sideー
さっきから。
というか、家に帰ってから。
音はずっとソファに座ったまま、黙っていた。
「音…??」
「…」
いつもそうだ。
音は何かあると、黙り込んでしまう。
小さい時から、そう。
「ねえ、どうしたの?」
音に近づいたところで音はやっとこっちを向いて口を開いた。
「ごめんな、心…」
「え…」
「好きでごめん。双子の弟でごめん。」
音は顔を歪ませながら言う。
「ちょ、音?」
完全におかしい。
いつもの音じゃない。
バフッ
音は勢いよく、あたしをソファに押し倒した。
親はまだ帰っていない。
馬乗りになる、音。