2匹の蝶々
「心…??」
「ん?」
俺が呼ぶと、心は俺から手を離してこちらを見た。
「今日、学校サボろ」
「…え??」
首を傾げる心の手をとり、俺は学校とは逆方向に走り出した。
「ちょ…待って音!」
「待たない」
俺は心を連れてひたすら走った。
別に行きたい所なんて、ない。
ただただ、走るだけ。
心と2人で。
しばらく走ると…
河原に出た。
「はあ…はあ…もう、音…急にどうしたの??」
「はあ…別に」
「別にって…」
心はあきれているようだった。
俺は心の方に向き直った。