2匹の蝶々
「うわあ…いっぱいある!どれで撮ろうかなあ♪」
あたしはゲームセンターの騒音に負けないくらいの声で言った。
たくさん並ぶプリ機に目移りしちゃう。
「別に…どれも一緒だろ。」
「音、なんか言った?」
あたしは音を睨む。
「…いや、何も」
「ふぅん…あ、これにしよ!!」
あたしは音の手をひく。
そして勢いよく、プリ機に入った。
デザインや肌の明るさなどを決める。
あたしは音に寄り添ってレンズを見た。
明るい女の子の声と共にシャッターがきる。
パシャッ
「あははっ…音、変な顔!」
「うっせ…だから苦手なんだよ!」
音は怪訝な顔をする。
もう…仕方ないんだから。
まあ、音は昔からカメラとか嫌いだったしね。
あ、そうだ…
シャッターをきる直前。
「ねえ、音」
「ん?」
チュッ
パシャッ
「…え?」
「へへっ」
音は何がなんだか分からない様子。
後に分かる事だから今は言わないでおこう。