恋愛一色
やばい…
どうしよう…どうしたら?


頭を抱える手がだんだんと湿っていく。


千尋とのデートの予定をすっかり忘れていた。


そして真美と遊ぶ約束をしてしまった。



『はぁ…』



俺は視線を下に落とし、ため息を漏らす。



めんどくさいな、と思っても約束は約束だ。
守らなくてはいけない。


真美との約束は10時。千尋との約束は14時。


なんとかなるだろう。


俺は無意識のうちに千尋に《分かった!いいよ》とメールを送信していた。



寂しがり屋な俺にとっては都合がいい。


だが、千尋にバレないようにしなければならない。


大丈夫だろうとこの時までは思っていた。



この時だけは──…






───……そして時は経ち、日曜日となった。


予定が沢山ある日曜日。


俺は気合いを入れるため、起きるとすぐに顔を洗った。
何回も何回も、自分の顔を洗った。
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