恋愛一色
自分の手で罪を増やして、それに後悔をする。


俺ってバカだなってつくづく思う。


何がしたいんだ?と聞かれたら俺は何も言えない。


俺の腕枕の中で気持ちよさそうに寝ている千尋を俺は横目でみた。



そして千尋を抱き寄せ、耳元で囁いた。




『ごめん…』



千尋、ごめんな。


俺はお前を愛していない──…



俺は両親が憎い。
俺を捨てたからとか、そんな理由じゃない。


もっと大事な理由だ。


そう、俺を愛していないという理由。


だから捨てたんだろ?



俺はホテルの天井を見た。


ピンク色の天井。



…むかつく。



何で?何で?

何で俺なんだ?


疑問に思えば思うほど訳が分からなくなってくる。



『…響──?』



すると隣で寝ていた千尋が目を擦りながら起きた。


俺は千尋の頭を撫でる。


『気持ちよく寝れた?』



『うん…』
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