恋愛一色
血液が流れるのが速くなる。


怒りが込み上げてくる。


俺は舌打ちをし、千尋を睨みつけた。


千尋はそんな俺に恐れたのか、少し身を引いた。


『うそつき?騙されたお前もわりぃだろ?』



俺は千尋に一歩ずつ近寄っていく。



『嘘をついた俺も悪いけどお前だって悪いだろ?騙される方がわりぃんだよ』



『なによ…それ…』



俺は塀に千尋を押し当てた。



そして千尋にこう言った。

最悪な言葉を─…





『…俺はお前のことを一度も好きだと思ったことなんかねぇよ。…ゲームオーバー』



俺は千尋を睨み、その場を去って行った。



いつまで経ってもこの怒りは静まらないでいた。



『ちょっと響!さっきのはひどいって!』



さなが後ろから俺を呼び止める。



俺の怒りは静まらない。さなの言葉は火に油を注いだような言葉だった。



『うぜぇな。お前だって俺に騙されてんだぞ?それくらい分かれよ。…今までお疲れ様』
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