恋愛一色
俺達は駅に向かい、電車に乗り込む。


通勤時間で大勢の人が駅に集まる。


遥斗の顔が次第に暗くなっていくのがすぐに分かる。


遥斗は人が嫌いだもんな。



電車に乗り込み、席を探す。


運良く席が空いていたため、俺達は向かい合って座った。




春は好きだ。
陽気で気持ちがよい。

ただそれだけの理由。


車窓から見る景色が綺麗で吸い込まれていく。


きっと遥斗もそうなんだろうな。


だって、頬杖をつきながら景色を眺めているから。



『遥斗ってさ…女に興味はないの?』



『女?興味ねぇし』



遥斗の口癖は変わっていないな。


またこの言葉で片付けられてしまった。



『もったいね~遥斗人気なのに』



俺の発言に黙って遥斗は聞いていた。



お前はそのままでいいよ、変わったりすんなよな。



俺は景色を眺める遥斗を見て、微笑んだ。
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