恋愛一色
俺は遥斗と別れ、家を目指す。


家に着くと、俺は履き疲れたローファーを脱ぎ捨て、自分の部屋に向かっていく。



階段を上っていると、下から母さんの声が聞こえた。



『響、学校はどうだった?楽しくやれそう?』




『楽しいよ、遥斗もいるし!』



俺はこう言って笑顔を見せると、母さんは微笑んで、リビングに消えて行った。



俺は残りの階段を勢いよく駆け上がり、部屋に入る。



家を出た時は散らかっていた部屋が、今は綺麗に片付いている。
きっと母さんが片付けたのだろう。



俺はカバンを放り投げ、ベットに飛び込んだ。




『はぁ~…』



このため息は、寂しいため息ではない。

幸せのため息だ。
そのため息は部屋に広がっていく。




『佐藤…美幸…』




俺は先生のことを思い出していた。


先生に会いたい。
先生と話がしたい。




高校に期待や希望などはなかった。



でも…今の俺は早く明日になってほしいと思っている。



君に会いたいから…
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