恋愛一色
そこには俺が今までに出会ったことのない女性が立っていた。


潤った綺麗な瞳に、真っ白な肌。
髪は美しいウェーブがかかっている。



きっと世の中の男子はこんな女性に惚れるのだろう。


でも俺は違う。


たとえ綺麗な人を見ても、可愛い人を見ても、俺の心は動いたりしない。



きっと誰にも俺の心は反応しないだろう。




『いきなり声かけちゃってごめんね?私、彼氏にドタキャンされちゃったんだぁ…』



髪の毛をいじりながら、潤った綺麗な瞳を更に潤わせ、俺を見つめてきた。



その瞬間、俺の頭の中にこの言葉が横切った。





《ゲームスタート》




俺はお得意の作り笑顔を見せて彼女に近寄った。




『俺で良ければ相手するよ?』




彼女は満面な笑みを浮かべて俺の罠に引っ掛かった。



…俺の中でゲームが始まった。
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