恋愛一色
見てたなら止めてくれよ。
遥斗は俺が酒に弱いって知ってんだろ?



『遥斗、止めてくれよ』


『おもしろかったからやめた』



遥斗は空を見上げてこう言った。




『ふざけんな』



電車を降りてからも、ずっと頭は唸り続けていた。



歩くのが辛いくらいに頭が痛い。



二日酔いでこんなにも酷い頭痛に襲われたのは初めてだ。



もう言葉に表せないくらい痛かった。



俺はゆっくりと歩みを進める。



隣で並んで歩いている遥斗は俺に歩くペースを合わせてくれていた。




俺…言わなくちゃ。
遥斗に…先生のこと…




俺はふと思った。
遥斗に報告しなければいけないことを。




俺は歩くのをやめた。




『響?』



『なぁ、遥斗?お前さ、年上の女ってどう思う?』



『別にいいんじゃねぇの?』




遥斗は歩きだしてしまった。





待ってくれ…まだ大事なことがあるんだ…
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