恋愛一色
『私は相場さな!隣街に住んでるの。今日は響に出会えて良かった!響中二には見えないんだもん。それにかっこいいし!』



出会ったばかりの悲しい顔とは裏腹な元気な彼女の姿。


俺はただ圧倒されていた。


彼女の名前は相場さな。
隣街に住む俺と同じ中学二年生。
この日、彼氏にドタキャンされたらしい。


たまたま歩いていた俺をナンパしたみたいだ。



まぁ、俺にとっては都合が良いのだが。


そして俺達は近くのファミレスに入り、今に至る。





『響は彼女とかいないの?』



俺は注文したオレンジジュースを飲みながら、さなを見た。



『いないよ?』




『意外だね!私の彼氏、私に冷たいからなぁ…』



さなは遠くを見つめて、寂しそうな笑顔を見せた。




『…俺にすればいいのに』



この無意識の一言が、さなの心を虜にしてしまった。
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