恋愛一色
どんな魔法を使っているの?

俺は魔法にかかりやすいのかな。



『えっと…先生って今彼氏いるんですか?』



とっさに出た質問。
最悪な質問だ。

なに言ってんだよ、俺。


俺はあとになって後悔をする。



先生は一瞬だけ驚いた顔をしたが、すぐに表情が変わり、首を横に振った。



『ううん、今はいないの』



そして…悲しげな瞳で、俺を見た。




守ってあげたい…
君を…俺のすべてで…




『…俺が…先生を守ってあげる…』



俺がこう言った瞬間、強い春風が教室に吹き込んできた。



さらさらと靡く、先生の髪の毛。

一本、一本…俺のものにしたいと思った。




『え?ごめんね?なんて言った?』



さっきの言葉は先生には聞こえていなかったみたいだ。



何故かホッとする。


また今度言うよ。




『ううん、なんでもない!俺、先生と仲良くなりたい…』




お願い…
時間よ…止まってください…
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