恋愛一色
俺は誤魔化した。
先生にはまだ気持ちを伝えない。


伝えたいけど、もっと自分に自信がついた時に言うことにしよう。



そんな時、遥斗が不機嫌そうな顔をして、教室に戻ってきた。


俺は遥斗の方に駆け寄り、先ほどのことを報告しようとした。



『遥斗!お前どこに行ってたんだよ!』



遥斗は俺をシカトし、自分の席についた。



『お~い、遥斗?』



俺は遥斗の肩を掴んだ。すると、遥斗が俺を見上げた。



『ん?』



いきなりどうした?
なんかあったのか?



そして遥斗は小さな声で呟いた。



『…お前はいいよな』




…どこがいいんだよ?




『俺のどこがいいんだよ?つか聞いて!先生とすげぇ喋った!』



俺は遥斗の前の席に座り、本題を話し始めた。




『ふ~ん』


遥斗は興味なさそうに答える。



それだけ?
まぁ遥斗だし仕方ないか、と俺は諦めたりもした。
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