恋愛一色
何言ってんの?
お前、まじで言ってる?


俺は大きく目を見開き、綾を見た。



…こいつ、本気だな。



綾の目を見たらすぐに本気だと思った。



『嫌だ。なんで?意味わかんねぇから』



俺は綾の手を振りほどく。



時計台の針が、ひとつ先に進んだ─…




『寝てくれないなら、毎日響に連絡して、響の恋を邪魔する』



今度は脅しかよ。
恋を邪魔するとかすげぇ迷惑だ。
そんなことされてたまるか。



『寝るだけでいいんだよな?もう一回、お前と体合わせるだけでいいんだよな?』



綾はこくんと首を縦に振った。



『来いよ』



俺は綾の手を強く握り、近くのホテルへと入って行った。



濃いピンク色のベッドの上に綾を思い切り投げ飛ばした。



『響…』



『お前を抱けばいいんだろ?それで俺を忘れてくれるなら安いもんだ』




俺はこの時、自分の気持ちを見失っていた…
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