恋愛一色
唇の間から侵入してくる綾の舌をうまく操り、綾を感じさせる。



俺なにやってんだろ?


接吻の最中、ずっと思っていた。



感じている綾の顔を見ても、くだらないと思ってしまう。



…何してんだろ?



こんな行為をしている自分にすら、疑問を感じる。




『響…響…』



耳元で綾が俺の名前を呼ぶ。



お前になんか呼ばれたくない。



俺は何回も綾を快楽の世界へと行かせた。



行為が終わったあと、綾はぐったりと俺に寄り添って寝ていた。



綾の柔らかい体が俺の体に当たる。



『…何してんだろ…』



俺はピンク色の照明を見て呟いた。



込み上げてくる後悔と涙。



『バカじゃねぇの…』



俺は一筋の涙を流して、目を閉じた。



後悔しても遅い。
後悔すると思っていたのに、何故こんなことをしたのかな?



次の日、遥斗に言われた言葉が、俺の体中を埋め尽くした─…
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