恋愛一色
家に帰ると誰も居なかった。


父さんはまたどこかに出張しに行っているのだろう。


母さんはきっと出かけているはずだ。



ちょうど良かった。
今はひとりになりたい気分なんだ。



俺は重い足取りで部屋に向かった。



勢いをつけてベッドに寝ころぶ。


そのせいか、ベッドから軋んだ音が聞こえた。



枕に顔を埋め、俺は眠りについた。



疲れていたせいか、直ぐに夢の世界へとタイムスリップをした。



俺は夢の中へ行っても、魘されていた。


周りからすごい罵声を浴びて、俺はビクビクしていた。



…何なんだよ…



『…ごめん…』



謝るなら最初からしなければいい。



正にその通りだ。



でもしてしまったものを消すことなど出来ない。


後悔が俺を襲ってくる。


そんな時、静かな部屋に着信音が鳴り響いた。


俺はゆっくりと目を開ける。
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