恋愛一色
めんどくさい、と思った俺はその電話をシカトし、また眠りについた。


今度は、変な夢を見なかった。



…次に目を覚ましたのは正午になったあとだった。



俺は携帯が鳴っていたことを思い出し、ポケットから携帯を出した。



『遥斗?』



さきほどの電話はどうやら遥斗みたいだったらしい。



俺は確認をするため、遥斗に電話をかけたが、遥斗はなかなか出なかった。



俺は電話を切り、遥斗の家に向かった。



『どうせ俺が休みだからあいつも休んでいるだろ…』



きっとそうだ、遥斗なら休むだろう。



─ピーンポーン…



遥斗の部屋のチャイムを鳴らす。
だが部屋から物音ひとつしてこない。



『いないのかな?』



俺はドアノブに手をかけ、ドアを開けた。



『開いてる…』



遥斗の部屋は鍵がかかっておらず、開いていた。


物騒なやつめ。
俺は呆れた笑みを浮かべ、勝手に遥斗の部屋に入って行った。
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