恋愛一色
静かな空気が遥斗の部屋に漂う。


逃げれない…

俺は持っていた箸をぎゅっと強く握った。



『元カノ?』


俺は遥斗の質問に答えられなかった。



流れる血液が速くなる。


遥斗は黙ったまま、俺に近づいた。



『何とか言え』



そう言った瞬間、春風が強く吹き、ガラスに当たり大きな音を出す。



俺は生唾をごくんと飲み、口を開いた。



『…元カノが…もう一回寝てくれたら忘れてあげるって言ったから…』



『は?断りゃいいだろ?何でそんな簡単に寝るんだよ』



やっぱりな。
やっぱり…そう思うよな…


俺…バカだからさ…



俺は目を瞑り、遥斗に弱音を吐いた。




『しつこかったんだよ!!別れた後も連絡してくるし、寝るだけで忘れてくれるならいいかなって』



俺は遥斗には嘘はつけない。


遥斗にはありのままの自分を知って欲しいから…
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