恋愛一色
色のない、透明な涙がフローリングの床に落ちていく。


この涙が、俺の汚かった汚れを落としてくれているみたいだった…



遥斗の言葉が…遥斗の優しさが身に染みていく。


『俺…佐藤先生だけだ…』



この言葉は嘘じゃないよ、偽りじゃないよ。


本当だよ、信じてよ。



俺はもう二度と、昨日と同じ過ちをしない。

誓うよ、ごめんな?遥斗。



俺は、少しだけ成長をした。


考え方とかは、まだまだだけれど、誰を愛しているか、改めて気づいた。


こんな俺の成長を、神様は見ていてくれた。



…だから次の日、俺にご褒美をくれたんだ。



最高のご褒美を…



次の日の夕方、俺は和馬と遊ぶ約束をしていた。

待ち合わせの、駅前のファースト店へ急いで向かっていた途中、俺は君を見かけてしまった。



人混みの中から、あなたを…



俺の足が止まる。
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