恋愛一色
反対側の道に、君はいた。


カバンを前で持ち、信号待ちをしていた。



『…先生…』



俺は先生が信号待ちしている信号へと足を動かす。



そして、信号が変わるのを待っていた。


先生に話しかけたくて、そんな気持ちでいっぱいになりながら、俺は赤から青に変わるのを待っていた。



空が、オレンジと黒のグラデーションのようになっている。



和馬との待ち合わせの時刻をすでに過ぎていた。

でも俺は先生を選んだ。
ごめん…和馬。



すると、信号の色が変わり、待っていた人たちが一斉に歩き出した。



俺は少しだけ歩くのが遅れ、後ろの人とぶつかってしまった。



すみません、と小さい声で謝り、歩き出した。



先生を見ると、下を向いて、俺の方に歩いてくる。


先生が近づくたび、緩んでしまう…俺の顔。



『せん…せ…』



車のクラクションで俺の声は儚く散る。
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