恋愛一色
嘘かな?本当かな?


そんなのどっちだっていいや…


今の俺、すげぇ喜んでいるからさ。



『え…?』


俺はぽかんと口を開け、先生に確認をする。



『会おうか。二人っきりで』



先生はこう言って、頬を赤く染めて笑顔を見せた。


嘘かな?本当かな?


いや、これは間違いなく本当だ。



俺は立ち上がり、両手を上げて喜んだ。



そんな俺の姿を見て、先生は今までに見せたことのない笑顔で笑っていた。



…俺…覚悟を決めるよ。今日、先生に伝えるよ。


必ず─…



俺はすぐに遥斗に報告をした。
遥斗は『頑張れ』と言って、俺を応援してくれた。


頑張るよ。

やっと見つけたんだ…


愛する人を─…



その後からの授業の内容は聞かないでくれ。

覚えていないんだ。

ただ、覚えているのは、必死に俺たちに日本史を教える先生の姿だけ。



…刻々と、時間は過ぎていく。
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