恋愛一色
服を着終えると、ワックスを持って洗面所に向かい、髪型をセットする。


『おし、きまった』


今日はいつもより上手く出来たようだ。

鏡で何回も確認をし、鏡に写った自分に頷く。


まるで勇気づけているみたいに。



そして携帯と財布を持って、待ち合わせの○○駅に向かった。



生温い風が俺を吹き抜けていく。


『大丈夫かな?』


俺は空を見上げ、うっすらと顔を出していた月に語りかけた。



心臓に手を当て、自分を落ち着かせる。



ドクンドクンと唸る心臓。



『大丈夫だ…待ってて…先生…』



俺は勢いよく駆け出した。


先生…待っていて下さい。


あなたを迎えに行きます。




…駅に着くと、駅はたくさんの人々で溢れていた。

携帯の時計を見ると、もうすでに18時だった。


『先生?』



俺は辺りを見渡し、先生を探す。



『沢村君!』




…見つけた。
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