恋愛一色
部屋中に広がる、トマトの匂い。


テーブルの上に、トマト色をしたパスタが置かれていた。



『え?もう出来たの?』


『実はもう下拵えはしてあったの』


エプロンを脱ぎながら先生は言った。



俺は先生が作ったパスタをじっと見つめ、先生を後ろから抱きしめた。



もう限界だ、もう我慢出来ないよ。



俺の中はもう欲望だらけ。

先生への愛でいっぱいでパスタなんか入らないよ。



『沢村君?急にどうしたの?』



先生は俺の腕に触る。



『先生…』


俺は先生の頬に軽くキスをした。



次は耳、次はうなじ。



そして先生をこちらに向かせ、真っ直ぐ先生を見つめた。



真っ赤な先生の顔。
照れている表情。



…我慢の限界だよ?




俺は先生の唇に自分の唇を押し付けた。



目を閉じ、先生の柔らかい唇に何度も自分の唇を押し当てた。


先生も俺を受け入れるように、目を閉じて俺の接吻に応えてくれた。



『さわ…むらくん…』



今までに見たことのない先生の色っぽい表情。


俺は再び先生を抱きしめた。



そして耳元で…小さく囁いた。




『先生…好き…』
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