恋愛一色
罪を犯す人間。

それがこの俺だった。


平気で人の心を掴み、平気で捨てる。


ポイ捨てのようなもの。



本当の父親や、母親が俺をポイ捨てしたように、俺は仕返しをするのだ。


この世界に…



俺は欠伸をしながら遥斗が待つ玄関に向かう。



遥斗は足元に視線を落とし、いつもと同じつまらなさそうな顔を見せる。



『上がれよ?そんなとこに立ってないでさ。俺は朝飯食ってくるから遥斗は俺の部屋にいろよ?』



遥斗は無言のまま靴を脱ぎ、俺の部屋がある二階へと上がって行った。



俺は朝食を済ませるために、リビングに行く。




『いただきます』



沢村家の朝食のメニューは和食だ。



俺は和食が好きだから飽きたりはしない。



父さんは会社に行く準備をしていた。


母さんは朝食のあと片付け。



もしこの家に引き取られなかったら…俺は今どうしているだろうか?
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