恋愛一色
~第八章・幸せ~
遥斗に言うべきなのかな?

菊地唯の隣にいたアイツは何者なんだ?


遥斗は菊地唯が好きで…もしこのことを知った遥斗は悲しむだろう。

そんな姿なんか見たくない。


俺はずっとこんなことを思いながら歩いていた。

そして遥斗の家に向かう前に、一旦家へと立ち寄り、風呂に入り、スエットに着替えた。


ある程度髪を乾かし、制服を袋の中に入れ、再び家を出る。


『響?出かけるの?』


すると背後から声が聞こえた。


俺は後ろを振り向く。


後ろには母さんがいた。

『ちょっと遥斗のとこにね。そのまま泊まってくる』と俺は言って、家から出て行った。



月はまだ明るい。
丸くて黄色の月。

俺はそんな月を見つめて呟いた。


『どうしたらいいかな?』


月からの解答はなかった。

自分で探せ…と言っているように思えた。



そして遥斗の家に着き、俺はチャイムを鳴らす。
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