恋愛一色
美幸も俺と一緒で、照れていた。

抱きしめたい、と思ったがここは学校だ。


『勉強進んだ?あれから』


『だいぶね。ごめんね?連絡しなくて』



『いいよ。こうして会えたし』


太陽の陽射しが、俺たち二人を照らす。


もし美幸が俺と同じ歳で、同じ高校生だったら、堂々と手を繋いで歩けたかな?


そんな小さな願いは叶うことはない─…


だって美幸は先生だから。


そして俺たちは秘密の関係。


でもさ?こっちの方が燃えるだろ?



『また夜家にきて?』


先生は俺を見上げてこう甘えてきた。


断ることなんかできるかよ。



『…うん…ねぇ、ちょっと来て!』



俺は先生の手を握り、社会科資料室に向かった。

『どうかした?』


相変わらず古びた本の匂いが漂っている社会科資料室。



さっきの先生の顔を見たら止まらなくなっちゃったよ?
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