恋愛一色
もうすぐ梅雨なのか、少し湿気ったら空気が窓から吹き込んできた。



これっていけないのかな?
俺っていけないことしてるかな?



俺はゆっくりと目を開け、美幸を見て微笑んだ。

美幸は俺が笑うと、必ず笑ってくれる。


その瞬間が大好きなんだ。


俺はズボンのポケットから携帯を取り出し、今何時か見た。


時計は、もうすぐ朝のHRが始まる時刻を示していた。



『もう行くね、じゃあまた』


俺は美幸の頭を撫でて、社会科資料室から出て行った。



廊下を歩いている最中、俺はふと外を見た。


さっきまで明るかった空が、少しだけ暗くなっていた。



『このまま晴れでいてよ…遥斗が悲しむから…』


遥斗は雨が大嫌いだ。
遥斗を悲しませることはしないでくれよ…なぁ?


…教室に行くと、遥斗の姿はなかった。


俺は遥斗を探しに行くため、教室を出て行った。


『どこにいるんだ?』


たまたま通ったトイレに遥斗の姿はあった。



『遥斗!ここにいたか~』



『何だよ?』


遥斗は教室に向かって歩き出した。

俺もその後をついていく。
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