恋愛一色
でも俺は迫り来るカウントダウンの音など気づかなかったんだ。


俺の幸せはあと少ししか残されていなかった─…


俺は授業中、ずっと遥斗のことを考えていた。


何で言ってしまったのだろう?と、自分をずっと責めていた。


そして全ての授業が終わり、遥斗と教室から出て行く。



『お前先生のとこ行かなくていいのかよ?』


遥斗は俺を見て、こう言ってきた。


『大丈夫!夜会うし!』


まだ空は暗く、今にも雨が降りそうだった。


俺達は靴に履き替え、学校から出ていく。



『あの人超かっこいいんだけど!!』


校門に近づくと、いろんな場所からこのような声が聞こえてくる。


俺はふと校門の方に視線を向ける。


そこには、誰かがいた。

学ランに身を包み、さらさらの黒髪を靡かせ立っていた。



『遥斗…あれって…』
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