恋愛一色
俺は見逃さなかった。
美幸の動きが一瞬、止まったところを。

でも美幸はすぐに笑顔になって俺にこう言った。


『つまらない恋愛をしてきたわ』



美幸は俺の隣に座って、俺の手を握ってきた。

俺は拒むことなど絶対出来ない。
だって好きな人の手だから。


俺も美幸の手を握り返す。


『つまらない恋愛って?』



俺はすかさず美幸に問いただす。



美幸は悲しい表情を浮かべ、俺を見つめてきた。


『どうして…そんなこと聞くの?』



『知りたいからに決まってんじゃん?』


俺は美幸の頭を撫でる。

美幸の髪の毛は、さらさらすぎる、艶やかな髪の毛だ。
一本一本が細く、綺麗な髪の毛。




美幸…あなたは今までどんな人を愛してきたの?


『…知らなくてもいいじゃない…』




美幸…君は辛い恋をしてきたの?
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