恋愛一色
わかるだろ?
だってさ、人間が嫌いだった遥斗が人間に恋をして必死に頑張っているんだぜ?


背中を押したくなるだろ?



『唯…』



『あっ遥斗!』


菊地唯は遥斗の存在に気がつく。

俺が見る限り、菊地唯も遥斗のことが好きだと思うんだけどな…



俺は後ろから遥斗たちを見ていた。



でも遥斗はバカなことを言った。
まだまだ遥斗には恋愛というものが分かっていないようだ。




『唯と葵って…その…つき』



俺は遥斗が何を言うのかさっぱり分からなかった。


すると、遠くの方から菊地唯の名を呼ぶ声が聞こえた。



『唯ー!!』



俺はゆっくりと校門の方へと視線をずらす。



そこには…幼なじみがいた。
菊地唯の─…



幼なじみは誇らしげな笑顔を見せていた。



…邪魔すんなよ、遥斗は今自分なりの恋愛をしてるんだからよ。




邪魔すんじゃねぇ。
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