恋愛一色
『俺、唯を忘れられないと思う』


遥斗は悲しい瞳をして、俺を見てきた。


こみ上げてくる涙をぐっと抑えて、笑顔を向けた。


『無理して忘れなくてもいいと思う…ゆっくりでいいだろ、な?』




本当はこんなこと思っていなかった。
遥斗にはまだ諦めて欲しくなかったから。


俺がこんなことを言ったから、お前は違う道を選んだのかもしれない─…



『俺さ、少しは変わったかな?』



遥斗は最近よく見せるようになった笑顔で、俺に確認をする。



『今の遥斗が一番かっこいい!』




『帰るぞっ響!』



俺と遥斗は雨の中、笑いながら走って行った。


遥斗が笑っていると俺まで嬉しくなる。



遥斗にはずっと笑っていて欲しいから。



次の日、遥斗は俺に最高に嬉しい言葉を言った。


遥斗は笑顔で…こう言った。



最高の笑顔で、最高の言葉を─…




『幸せだよ、俺』
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