恋愛一色
遥斗の心に太陽はいつ顔を出してくれるかな?



『お前は…お前は菊地が好きじゃねぇのかよ!!』



俺は先ほどより少し大きめの声で遥斗に向かって言った。


遥斗は俺と目を合わそうとしない。
ずっと違う方を向いていた。
その瞳は、寂しげな瞳だった。



『いてぇよ…』




遥斗、俺はお前の気持ちが聞きてぇんだ。
そんな偽った気持ちじゃなくて、素直な気持ち。

俺も昔、偽った気持ちで人を傷つけてきた。
それを叱ってくれたのはお前、遥斗だったよな?


じゃあなんで…今…



次第に自分の瞳が潤って、視界がおかしくなる。


『お前の気持ちはどこに言ったんだよ!!お前は菊地が好きで…好きで…しょうがなかったんだろ!?だからあんなにも努力したんだろ?!』




そうだろ?
菊地と仲良くしたくて、毎日屋上に行ってたんだろ?



早く言えよ、本当の気持ち。


でも俺の思いは…


届かなかった─…
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