恋愛一色
『何で…お前にはそういうとこが足りねぇんだよ!!
最初から諦めんな!好きなら話しかけろよ!好きなら好きでいろよ…何で…誤魔化すんだよ…』



堪えきれなかった涙が俺の目から零れ落ちる。
そんな姿を見られたくなかった俺は、とっさに下を向いた。



遥斗の肩を掴む俺の手の力が強くなっていく。



早く…目を醒ましてくれ。
頼むから…幸せになってくれ。




『…好きじゃねぇよ』



遥斗はこう言い捨てて、俺の手を振りはらい、去って行った。



最後の最後まで俺の思いは遥斗に届かなかったようだ…



俺はバランスを崩し、廊下に尻餅をついた。


遠くなる遥斗の背中に向かって俺は最後に叫んだ。



『お前はそんな奴じゃねぇだろ?もっと自分を大切にしろよ!遥斗!!』



遥斗は俺を一度も見ずに、姿を消した。


俺が口出しするのはここまでだ。


あとは遥斗が自分で気づくのを待つだけ。



早く気づけよ。
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