恋愛一色
美幸の言葉を聞いた瞬間、『もう終わりか』と思った。


さっきまでの嬉しい顔が徐々に暗くなっていく。


『うん…会えるよ…どこに行けばいい…?』



俺はか弱い声で小さく囁いた。



逃げ出したい、と俺は逃げていた。
この世界から─…



『○○駅に来て欲しい。18時に』



淡々と話す美幸は、今何を考えているの?
俺のこと…もう嫌い?



『…うん…わかった…』



俺はこう言って電話を切った。


切った途端、俺の目から涙が零れ落ちた。



夕焼け色に染まった部屋は…俺の心と裏腹な色をしていた。



…怖い、行きたくない…


だって…もし美幸に会ったら…



きっとこれで美幸とは…


サヨナラだから─…



俺のすすり泣く音が部屋全体に響き渡る。



『…離したくない…』


そして俺は小さな声で今の心境を呟いた。
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