恋愛一色
そこには悲しい表情をした美幸がいた。


『ごめんね、待った?車に乗って?』



美幸は俺に謝り、車がとめてある方を指差した。


俺は美幸を見た途端、顔が真っ赤になる。
心臓も煩く鳴る。


出会ったころと何も変わらないのに、変わってしまったのは美幸なのかな?



『…うん…』



俺は言われた通り、美幸の車に乗り込んだ。



美幸の車に乗るのはいつぶりだろう?



車内に広がる美幸の愛用の香水の香り。
キャラクターの可愛らしい人形の数々。


あの頃と同じだ…



俺は助手席に乗り、シートベルトをつけた。



『…話って何?』



俺は恐る恐る美幸に聞いてみる。



美幸はただ前を向いて、何も話そうとはしなかった。



美幸に聞かなくても、もう空気で分かる。



…カウントダウンが近づく。


この俺に─…
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