恋愛一色
今…遥斗…なんて言った?
唯って言ったよな?
それって…菊地のことか?



『菊地?何で今頃菊地なんだよ?』



俺は眉間に皺を寄せて遥斗を見上げた。


だってそうだろ?
遥斗は菊地を諦めたから杏ちゃんと付き合ったんじゃねぇの?



『先生知ってるんだろ?教えてくれよ…』



俺はゆっくりと先生の方を見る。
先生は何かを知っているのか?



確かに最近、菊地は学校に来ていない。
俺も少し変だなって思っていたんだ。
菊地に何かあったのか?


先生は下を向いて、小さく口を開いた。



『乗りなさい』


こう言って、遥斗を後部座席に乗らせた。


そして再びエンジンをかけ、アクセルを思い切り踏み、車を走らせた。



俺は訳もわからないままだった。



『遥斗?俺の話は無視?』


俺は先ほどの質問の答えが気になり、後ろを振り向く。



遥斗は俺を見て、微笑んだ。
< 253 / 313 >

この作品をシェア

pagetop