恋愛一色
世界が止まった。
何もかも…


俺はしばらくそのメールを凝視していた。


メールの内容の意味が全く分からなかった。



『…嘘だろ…』



雑音の中にぽつりと俺の情けない言葉が入る。



次第に、涙でメールの文字がよく見えなくなっていく。



『何で…』



俺は下を向いて携帯に向かって呟いた。



昨日好きって言ってくれたじゃん。
昨日…キスしたじゃん。


美幸との思い出が走馬灯のように駆け巡る。



そして俺は携帯の待ち受けに…一粒涙を落とした。



『響!おはよ!』



するとクラスメートが俺に挨拶をしてきた。
だがそんな声が俺に届くはずはない。



俺は立ち上がり、ある場所へと向かった。



生徒たちでごった返す廊下を掻き分けながら、俺は確認をするために走ってゆく。



嘘だと言ってよ。
冗談だよって笑ってよ…


頼むから…
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