恋愛一色
『千尋ねぇ…』



俺が独り言を呟くとそれを聞いた和馬と淳が怪しい笑みを浮かべた。



『なんだ?平松のことが好きになったか?』




『ついに両思い?』



二人は俺をからかっている。


千尋が好き?
両思い?



そんなわけねぇよ。



俺はただ千尋をどんなふうに落とそうかと考えていただけだ。



好きなわけねぇよ。




『和馬、淳?俺さ、日曜日千尋を俺のもんにするから』




和馬と淳は顔を見合わせて、頭の上に?マークを浮かばせた。



『はぁ?』



『それ本気かよ?』



『…当たり前』



俺には自信があった。


この手で…千尋を落とす。

そしたらまた俺の罪は増えてしまう。


そんなのどうだっていい。

俺にとって恋愛なんて…


ただのお遊びだから─…





『日曜日が楽しみだ』
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