恋愛一色
俺は袖で涙を拭い、息を落ち着かせ、社会科資料室の前で足を止めた。


美幸…いるかな、と思いながらドアを開けた。


社会科資料室に入ると、人がいる気配は感じられなかった。


俺は一歩教室に入る。



『美幸…』



美幸の名を呼ぶが、美幸の返事はない。

いつも美幸がいる部屋に行ったが、そこには美幸は居なかった。



まだ…学校には来ていないのかもしれない。



俺はその場にぺたんとしゃがみこみ、唇を噛み締めた。


胸が苦しくなる。
美幸との思い出が、俺の中を駆け巡る。



このままの状態だったら、俺は確実に死ぬだろう。



『遥斗…』



誰かの助けが必要だったんだ。



俺は再び駆け出した。
遥斗に…助けて欲しい…


遥斗がいる屋上へと向かっていく。


もう精神的にも俺は限界がきていた。
だけど頑張って走ったんだ。




『遥斗!!』
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