恋愛一色
俺は遥斗の言った通り、空を見上げてみた。


太陽の光がこの街を明るくする。
空には白いふわふわの雲。
青色の空は透き通るくらい綺麗で─…



涙がそんな空と反射をして、キラキラと輝いた。

今まで見てきた世界で、この世界が一番綺麗だと思った。



『…すげぇ…綺麗…』



瞳から写った世界が、キラキラと虹色になっている。


遥斗…これが見せたかったのか?
俺に─…



『俺、美幸を今すぐ忘れることなんか出来ねぇな…』



俺は笑顔でこう言った。こんな綺麗な世界を見ていたら、自然と笑顔が零れたんだ。



『そうだな、無理矢理忘れたって意味ねぇだろ?』



『ずっと…想っててもいいよな?』




美幸をずっと見ていてもいいよな?



『当たり前だろ?ずっと好きでいろよ。誰を想おうが人の勝手だろ?』




遥斗の言葉や、菊地の言葉を聞いていたら、またやる気が出てきた。


いつかまた…美幸を連れ戻すよ。

頑張って、逃げないで。



俺は立ち上がって、このでかい空に向かって叫んだ。





『待ってろよ!美幸!!ぜってぇもう一回お前を振り向かせてやるから!』





いつかまた…
君の隣に並べる日を願って──…
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