恋愛一色
遥斗が眉間に皺を寄せ、明らかに怒っている表情を見せて教室に入ってきた。



『おい、響。何かあったんだろ?』



『何急に言い出すんだよ?何もねぇよ』


俺は遥斗の顔が見れずに、下を向いて笑って言った。


だが遥斗には俺の全てがお見通しだったようだ。


『言えよ』


『だから何もねぇって…』



やめてくれ。
これ以上聞かないでくれ。
また…泣いてしまいそうだ。



すると怒りが爆発したのか遥斗は俺の机を思い切り叩いた。


その音で教室が静まり返る。


遥斗と俺に注目くる人々。



『嘘はやめろ。お前と何年一緒にいると思ってんだよ。俺をなめんなよ?』



その音で、びっくりした俺はしばらく硬直したままだった。


やっぱり嘘が下手なのかな、俺。



遥斗は俺の腕を掴み、教室の外に連れ出した。
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